当院が特に重点的に力を入れて治療している疾患について説明いたします
高血圧
なぜ高血圧を治療しなければならないのか、再度考えてみましょう。
ここ1年程度血圧が高くても特に困ったことは生じない可能性は高いかもしれません。しかし、血圧が高い状態では動脈硬化が進むため、脳梗塞・脳出血、心筋梗塞などを引き起こす危険が進行します。
ではどのくらい血圧を下げればいいのでしょうか?
これまで「年齢とともに血圧が高くて当たり前」という、間違った認識が多く見受けられました。現在学会から自宅血圧に基づく治療指針が提示され、基礎疾患の有無や年齢によって治療目標が定められています。
自宅で血圧を測定して、結果を『記録』しましょう。
血圧の薬を服薬するだけが治療ではありません。内服がどうしても躊躇してしまう方、一度勇気をもって受診して相談しませんか。脳卒中や心臓卒中を予防できるよう、循環器専門医としてアドバイスさせていただきます。
狭心症・心筋梗塞
日本人の死亡原因で第2位である虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)の治療は、カテーテル治療により入院期間が飛躍的に短縮しました。私は大学病院でカテーテル治療を行ってきた豊富な経験があり、カテーテル治療後の患者さんの力になれます。専門医として、心筋梗塞や狭心症の患者さんが気軽に相談できるクリニックを目指しています。 胸痛や胸部違和感などを生じる狭心症や心筋梗塞などの病気は、危険な状態かどうかは心電図を見ないとわかりません。心配ならまずは受診して検査で評価をしましょう。
健診などでの異常の指摘があった方は、健診元に心電図のコピーをもらってから当院に受診いただけると大変に助かります。
病状によっては大学病院や専門病院へ速やかにご紹介します。
不整脈
日常生活で「動悸」や「脈が飛ぶ」ということは誰しも経験することです。重大な病気の前段階の不整脈から、ストレスによる不整脈までさまざまな状態があります。心電図検査で安全に診断が可能となります。 前述の狭心症や心筋梗塞も不整脈を併発することがあります。胸痛・動悸が心配な方は、一度心電図検査を勧めます。
健診などでの異常の指摘があった方は、健診元に心電図のコピーをもらってから当院に受診いただけると大変に助かります。
また24時間継続して心電図を検査するホルター型心電図検査も行えます。
心臓弁膜症
重症化すると手術治療が必要となることが多いのですが、手術が必要ない方も多くいらっしゃいます。循環器専門医による定期的な検査と判断が必要な疾患です。 当院では心臓超音波検査を専門の技師が検査しています。超音波は全く痛みを伴わない安全な検査です。健康診断で雑音を指摘された方は、心臓超音波を行ってみることをお勧めします。 右の超音波の器械は心臓超音波のほかに、動脈硬化を評価する頸動脈超音波や肝臓や胆のう・膵臓を評価する腹部超音波検査などができる器械です。
糖尿病
現在1000万人を超える方が糖尿病や糖尿病予備軍といわれています。しかし高血糖の危険性を理解していない方も多いのが実際です。糖尿病は自覚症状が基本的にありません。糖尿病は無症状に全身をどんどん「むしばむ」病気です。確実に動脈硬化を進行させ、脳梗塞、心筋梗塞、腎不全・透析などへ突き進んでいく病気です。 悪くなってからでは治すのが大変です。
糖尿病は不治の病であり、患ったら最後、高血糖に伴う脱水症状と体重減少・精神異常をきたして死亡する恐ろしい病気でした。 その後すい臓から出るインスリンが欠乏することが病気の原因として分かり、インスリンを注射することにより治療できるようになっています。2型糖尿病にはインスリンを出す薬(SU剤やDPP-4阻害薬)やインスリン抵抗性改善薬などにより治療が可能となっています。さらに最近ではSGLT-2阻害薬と言って、尿中に糖分を捨てていく薬があり、低血糖のリスクを極力減らせる薬ができています。
糖尿病を二つに分けます。 「すい臓からのインスリン分泌が低下した糖尿病」 (1型糖尿病) と「インスリンの作用が阻害されている糖尿病」 (2型糖尿病) です。(学術的にはそのほかの病態もあります。) 1型糖尿病は小児期に発症することもある病気です。すい臓のインスリンを分泌する細胞「ベータ細胞」が破壊され、インスリンの欠乏状態となることで生じる糖尿病です。 2型糖尿病は、日本の糖尿病患者の90-95%を占める糖尿病で、肥満や運動不足、カロリー摂取の過剰などが原因であると考えられています。 多くの糖尿病の患者さんは若いときから糖尿病なのではありません。中高年になって尿から糖が検出され、血糖測定により「糖尿病」と診断されています。このような人たちはインスリンが足りないことは少なく、インスリン感受性の低下またはインスリン抵抗性が高いといわれる状態(メタボリック症候群・内臓脂肪症候群)となっているのです。
糖尿病の検査は採血(血糖値やHbA1cという1ヶ月間の平均の血糖値を示すマーカー)・採尿で評価します。横浜市の高齢者健診や特定健診にも検査項目は含まれます。 食後性過血糖といって食事により血糖値が異常に高くなる病態があります。これらは脳梗塞や心筋梗塞、狭心症などの動脈硬化疾患にかかりやすいといわれています。 動脈硬化の状態・程度を評価するために頸動脈超音波検査を用いて検査することもあります。
メタボリックシンドローム
メタボリックシンドロームとは、「内臓脂肪型肥満により高血圧や糖尿病、高中性脂肪状態が悪化し、動脈硬化が一段とスピードを上げて進行していく病態」です。
これまでのように高血圧や糖尿病に対して、ただ薬を飲んでいるだけでは、脳卒中や心筋梗塞を防ぐことができないということがわかりました。きちんとした医学的根拠に基づき、有効的に治療していくことが必要です。(薬を飲むだけで治るものではありません。やはり運動療法がとても大切で必要です。
健康診断で異常を指摘された方は一度当クリニックで再検査しませんか。 その検査異常の状況を良く調べてみて、あなたの状態を判断します。検査結果説明を聞いていただき、納得がいったら治療を始めましょう。とは言っても、薬を飲むだけとは限りません。食事・運動療法をしっかりと行えば、よくなる方も多くいらっしゃいます。 漠然とした不安を感じているかた、当クリニックへご相談にいらしてください。